村史で見るあの日の七月 ー
新聞資料編より ー
安谷屋橋の破損
〔琉新 明40・7・4・木〕
中頭郡中城間切安谷屋河に架せる安谷屋橋は嘗て破損の箇所ありしが、近来打続けし降雨の為著しく破壊の箇所を生じ人の通行にも危険となりたるに付き、中城間切長は不敢取、右情状を知事宛にて中頭郡役場へ報告し来れりと云ふ。
青年会表彰披露
〔琉新 大5・7・8・土〕
中城村島袋字青年会は中頭郡各青年会中優良の成績を以て此程表彰され、昨日午后二時より同字に於て青年会を招集し表彰披露会をなすべしと。長谷部郡長、奥村郡視学等は臨席の為出張すべしと。
中城湾沖に蜃気楼
見物で大賑ひ
〔大朝 昭8・7・13・木〕
【那覇】焼けつくやうな琉球の盛夏は人皆うだってゐるが、それでも水銀柱はぐんぐん上る一方で大抵の者が弱ってゐる。去る三日午後二時三十分ごろ中城湾沖合はるかの碧空忽然として蜃気楼現はれ、大きな島がありありと見え立派な市街が見え出したので附近一帯の村民総出でこの真昼の一大蜃気楼に見とれ近来になき空の美観に驚嘆の声を放ったが、該蜃気楼は二時間後の同四時半ごろ次第に解消した。
藏重知事が標準語の奨励
明日の沖縄に並行して
〔大毎 昭11・7・29・水〕
標準語奨励は沖縄県教育の重要問題として県下中小学校で極力その普及徹底に努め、藏重知事も過般の学校視察の際職員生徒に対し標準語の奨励に関し訓話をなしたが、二十九日から開催される県下中小学校長会議に特に諮問案として知事から「現下の情勢に鑑み標準語を一層普及徹底せしめる具体案如何」を提出することになった。右につき藏重知事は語る。
標準語の普及徹底は何も新しいことではないが、沖縄県の児童生徒は学校では標準語を使用しても、家庭ではまだ徹底してゐない。学校と家庭の連絡が理想的にいってゐない。殊に最近は航空路も開け、近いうちに無線電話の開通、大型優秀船の就航で沖縄県は日本最上位の文化施設が完成し、他府県との交通が頻繁となり昔のように孤立しては生活出来ないようになった。それには是非標準語の普及が必要で、これが徹底せねば百の教育をしても一の効果もあげ得ないのでこの案を出した。
女ながらも男に負けぬ畦立の腕前
〔朝日 昭16・7・25・金〕
沖縄県中頭郡中城村字瑞慶覧農事実行組合でさきに農業技術の向上を目指す畦立競技会を行ったところ、若い男たちの間に伍し僅か十七歳の同字與儀はるさんが鮮やかなお手際見せて見事一等賞を獲得した。当日参加した女子は三名で揃って採点九十点以上 私らだって決して男たちに負けませんよ といふ力強い実力を男たちの眼の前で示した。 |