 |
話に聞き入る村民の会会員 |
「平和を守る村民の会」は、総会終了後、平和講演会を実施。今回は、佐喜眞道夫さんを招き「美術館をとおして思うこと」と題し講演していただきました。
〜 講演のあらまし 〜
私は、仲順の出身ですが、沖縄戦で疎開先の熊本県で育ちました。
高校生の時に沖縄を訪れ両親から聞いたいい話ばかりの沖縄と、すべてが焼き尽くされた沖縄との違いに愕然となりました。二十歳で母方の養子に入り、軍用地代を目にした時、この金は臭い。生活費には入れたくないと思いました。
不労所得である軍用地代は全部絵にしてしまおうと考えました。美術館に連れていってくれた父の影響で絵が好きになり、浮世絵や西洋絵画等も収集しましたが、社会的なテーマや社会と対峙した作品がほしくなりました。そんなときに、沖縄戦の体験者の証言に基づいて描かれた『沖縄戦の図』の作者丸木位里・俊夫妻と出会い美術館建設に繋がりました。美術館を作るときも、設計士に丸木美術館に行ってもらいました。
絵を見た人たちが揺さぶられた気持ちのままで生活空間に帰るのは辛いので、気持ちを収めることができる場所を用地にしようと思いました。美術館は、緑と拝所(できたら亀甲墓)があり、海の見える環境を選び、二七〇年前の先祖の墓の前にしました。建物は六月二十三日の太陽の日没の方向に合わせました。偶然ですが屋上に上がる階段も六段と二十三段になり、神様からの贈り物だと思いました。
昨年、自衛隊がイラクに派遣された時、「沖縄戦の図に描かれた地上戦とはどんなものであったか、日本人全体が知る必要がある。そうしないと日本の将来は危ない」と話していた丸木夫妻の話を思い出しました。『沖縄戦の図』は、現代的なテーマを持った絵だと改めて気づかされました。沖縄戦(地上戦)は、私たちの認識の大事な宝になると思います。 |