トップページあの日の1月・文芸コーナー
村史でみるあの日の一月-新聞資料編より
中頭郡道の落成 〔琉新 明35年1月19日・日〕
 首里、普天間間三里余の道路砂利散布工事は弥々本月十二日を以て落成し、遠からず検査を受け引渡を為す由なるが、今後は松間茅屋の間にも腕車の声を聞く。旅行者の利便も思ひ遣らるべし。
中城間切の篤志家 〔琉新 明40年1月18日・金〕
 中頭郡中城間切島袋村喜納龜助といへるは同間切の資産家なるが、公共心に富み曾つて喜舎場尋常小学校へ代金十円程の望遠鏡を寄附したる事あり。其他公共の為め尽力するところありしを以て衆望を得たる同村の長者なり。然るに此程病気にて死亡したるが其際長男昌松に遺言し、学事奨励費として喜舎場尋常小学校へ金二十円、中城尋常高等小学校、津覇尋常小学校二校へ各十円宛、又た間切内の孝子へ賞与として金十円、計五十円寄附したりといふ。因に其葬式の際は間切役場吏員、各学校職員、生徒並各村総代、耕作当、其他有志者等無慮二千余人の会葬者ありて地方には珍らしき葬式なりしといふ。
頭上に載すべからず △喜舎場青年会の改善 〔琉新 大7年1月10日・木〕
 各地方では青年会が活動して風俗なり習慣なりを段々改善して行くのは誠に喜ばしい事であるが、此所に又面白い話を聞く。中頭郡中城村喜舎場の青年会では村の女が荷物を頭上に乗せて運ぶ事を此の程から禁止して居るそうで、その結果は極めて良好であるそうな 。
予算の引締めに教育費を大節減 沖縄県が市町村へ命令する近く予算編成打合会
〔大毎 昭7年1月17日・日〕
 沖縄県各市町村の昭和七年度予算編成に関し、県当局では二十五、六日ごろ県会議事堂で市町村予算主任会議を招集して打合せを行ふことになってゐるが、県当局では市町村の窮迫せる財政状態に鑑徹底的緊縮方針をもって予算を編成せしむることになり、吏員、教員は出来る限り減員し、その他の経費も節約して恒久的財政安定策を講じ、予算の大部分を占める教育費に対しては二部教授、複式教授或は三学級二教員制度を採用し、校長にも学級担任をなさしめるほか、実業補習学校を青年訓練所に充当して経費を節約し、実業補習学校または高等科の人員少なきところは学校を併合するやう命令を発することになった。    (那覇発)
文芸コーナー26

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