去る７月７日から21日までの15日間の日程で、南米三カ国（ペルー、アルゼンチン、ブラジル）を訪問してきましたので、村民の皆様にご報告申し上げます。
今回の訪問は、ペルー北中城村人会創立25周年記念式典への参加が主な目的でした。しかし、折角行くのであれば「南米子弟研修生受け入れ事業」を実施している三カ国を同時訪問し、村人会の皆さんと交流を深めつつ今後の研修生受け入れ事業等について意見交換できればとの思いもあり、かなり厳しい日程ではありましたが三カ国同時訪問を実施致しました。
ペルー村人会の皆さんからは、一人でも多くの村民に参加してもらいたいとの要望もあり、村内から同行者を募り総勢25人の訪問団ツアーとなりました。
　はじめに我々一行を感激させたのは、三カ国とも村人会の皆さんの熱烈な歓迎ぶりでした。ペルーなどは到着が真夜中にもかかわらず、大勢の村人会の皆さんが横幕を持参し空港で待ちわびており、対面したときは、長時間に渡る飛行の疲れも忘れるほど感激しました。
早速翌日は、在ペルー北中城村人会創立25周年記念式典に参加。式典、祝賀会の二部構成になっており、中でも祝賀会の余興の取り組みはすごいものがありました。感動させたのが、冒頭での村人会婦人部の皆さんによる北中城村歌斉唱です。皆さん歌詞カードなしで大きな声で堂々と、まるで北中城村人としての誇りを鼓舞するかのように歌っていました。まさかペルーの地で村歌を聴くとは私自身予想さえしていませんでしたので大きな驚きでした。
祝賀会での余興は、青年部が中心になり連日連夜遅くまで練習したそうです。民族舞踊あり琉球舞踊あり三線演奏等々どの余興もすばらしく、最後は全員で「カチャーシー」を踊りなかなかフィナーレの幕が降りず感動が覚めやりませんでした。
アルゼンチンやブラジルでも村人会の皆さんが、盛大な交流会を企画していただき、遅くまで様々な話題や余興で盛り上がりました。
三カ国とも特質されるべきは、これまで村が受け入れた研修生たちが村人会活動の中核になり、先頭に立って活躍していることです。このことを確認できたことは、今回の南米訪問の大きな収穫でした。三カ国の村人会役員の方々からも、研修生制度は今後も継続してほしい旨の希望もありましたが、村財政の今後の動向等もご説明申し上げ、制度の見直し等も含め基本的には継続していけるよう最大限の努力をしていくということでお話をさせていただきました。今回の南米訪問で認識させられたことは、移民一世、二世の方々の大変なご苦労の上に現在の皆さんの生活があるのだということでした。だから、家族や親戚、同郷の人たちの和を大切にしているのだということもわかりました。
村人会の皆さんと接していると、私たちが忘れかけているウチナーの「チムググル」というものを、改めて思い起こさせてくれました。同時に、村人会の皆さんとの心のきずなをいつまでも大切にしなければならないということも痛感させられました。今年10月に開催される「世界のウチナーンチュ大会」にも、大勢の村人会の皆さんがいらっしゃる予定ですので、村民みんなで心から歓迎したいと思います。

北中城村長　新垣邦男